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消えゆくアナログ 『エロ本』

先日久々に当ても無く、
帰り道沿いのセルショップに寄ってみた。

「中古で何か面白いものがないかな?」
っという淡い期待で入ってみたのですが
特に目ぼしいものも無く、そそくさと店を出ようとしたのですが
「たまには雑誌コーナーでも覗いてみようか」と思い直し
いわゆる『エロ雑誌コーナー』を物色。
・・・
・・・・・
しかし困った。
私の思う『エロ本』とおぼしき類の物は見つけられないではないですか。
そこにあるのは『DVD付録付き AV系エロ雑誌』ばかり
女子校生物、ギャル物、人妻物、熟女物、とジャンル分けであるにはありますが、
表紙を見ればほとんどがその筋のDVDメーカーの宣材写真が載っているばかりのようで
DVDパケなどに使うために撮影した際の残りものが使われているようです。
中身の文章もパッケージに書いてある宣材文にちょっと手を加えただけで、
いわゆる『AVレビュー』でもない味気ないものばかり。
読み物の記事も探してみたけれどほとんど見当たらない。
そして、あるのは出会い系かエロチャットの広告。

エロ本が衰退していっている事は理解していたけれど、現場でちょっと愕然としました。
そういえば『ビデオ・ザ・ワールド』が廃刊したと知ったとき、
「これでエロの紙媒体の時代は終わりなのか?」と思った事を思い出しました。

確かにネットやスマホで女優さんから素人さんまでのヌードや無修正画像を見ることは容易な時代になりました。
それでも紙媒体で手元で見る女体とPC画面から見える女体では明らかに味わいが違います。
『AVで抜く』行為と『エロ本で抜く』行為は結果こそ同じでも、その過程は大きく違います。
エロ本の1枚の写真で抜く、それは個人の極めてピンポイントな好みのツボを見つけ、そこに最大限の集中力と創造力を働かせて事を成し遂げるという過程が生まれます。
AVであれば一瞬で流れて行ってしまう、私にとっての最も欲情できる表情や体の美しさを、時間を気にせず心行くまで凝視し堪能し、更には個人の創造も加味して楽しむ事が出来ます。

私のブログでも個人の思い出の1冊を探しておられる方のコメントがありましたが、
私自身もエロ本で抜いていた1枚の絵が今でも脳裏に焼き付いて離れないでいる物がいくつもあります。
このブログの森田水絵さんで書いた事もありますねー、
彼女の写真集の中にも、私個人のそんな大事な絵があります。
また名も無い素人扱いの女優さんの1枚のオナページが、有名人気AV女優さんの極美ヌードよりも百倍抜ける事があるという事実も私が実証済みです。
私が中坊の頃、友達の兄貴から回ってきた『ビニ本』の墨消しのエロい事といったらたまらんものがありましたね^^
そういえば2000年前後のエロ雑誌も、世間の薄消しブームにのってかかなり過激なカット割りの(もちろん消しは入ってます)雑誌が増えたような気がしました。
裏本に消しをいれたような本番志向の雑誌が増えた時代でしたね。

また今となっては特にですが、当時のエロ雑誌の読み物が読みたいです。
あの時代のエロ業界やエロ風土、エロの流行など、当時は気にも留めなかった記事も今読んでみると興味深い事が沢山あります。
そして改めてエロは時代と共にある文化なんだと痛感します。
もちろん俗な文化ではあるけれど、それこそが大衆文化であり、取り繕う事のできない時代の1面の真の姿であると思い知らされます。

デジタルの時代になり、紙文化は廃れていってしまうのでしょうが
・・・寂しいですね。

今、私は当時のあの1冊や思い出のあの1本のビデオを必死で探せばまた巡り合うチャンスもあります。
そう『物』として存在していればこそ、その機会は残されています。
しかしデジタルの記憶は『10年後20年後に再び探し出すことが出来るのか?』私はそれをかなり危惧しています。
新しい情報は毎日の様に更新され、古くなったデータは消去またはアーカイブ化され、この広大なネットの世界の中であれば何処かに残ってるはずだとされています。
しかしよほど素性の確かな情報以外は探し出すのが困難な状況になるのではないかと、個人的には思っていたりします。
それだけに今日出会った情報は一期一会で、2度とお目にかかれないものかもしれません。
明日あなたのHDが逝ってしまったら、お気に入りの1枚のエロ画像に再開できる保証はどこにもありません。
それはそれでデジタル時代のダイナミックな楽しみ方とも言えるかもしれませんが、デジタルデータだから安心とは言えないという事ですね。
「だったらバックアップを取ればいいじゃん!」と言われるでしょう。
確かにその通りなんですが、何がしかのメディアにバックアップを取るという事は【=物に置き換える】という事ではないでしょうか?
結局デジタルデータも【物】として残さなければ意味がない(保証は無い)のかもしれません。

物にこだわる、時代遅れのおじさんですが、
昔のエロ本は面白かったです。
今読み直して、特にそう思います。
もちろん全てのエロ雑誌がそうだとは言いませんが
やはり人が苦労して考え、企画し、思いを込めて書いた文章はあの時代が乗り移っているものです。
特集の記事にしても、掲載グラビアにしても、AV女優の書いたコーナーであっても
そこには読者と向きあう姿勢が、読んでもらいたいという思いが伝わってきます。
アナログ・レコードの音の良さが「温かみのあるサウンド」として再評価される時代です、
エロ雑誌にも作り手のアナログな温かみが感じられる部分が沢山あると感じています。
時には手抜き・投げやりな内容だったり、不格好だったり、笑っちゃうような内容までも・・・
これこそがあの時代のエロの形なんですよね。
と、ノスタルジー親父は納得しています。
あぁー、また古雑誌が捨てられなくなる私です(笑)

サンプル動画の寄せ集めDVDを売るためのエロ雑誌。
紙媒体として何の価値があるのか・・・。
エロ本売り場の前に立ち、考えるおじさんでした。

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古き良き時代 

確かに最近は出て来る女優の人たちはアイドルと見紛うばかりの綺麗な人や可愛い感じの人が続々と出て来ています、画像もデジタルで大変綺麗です、でも絡みがやっぱりこうパターン化されていて面白くありません、昔の作品を見ると疑似ではありますがやはり恋愛のストーリー仕立てになっていて感情移入をする事が出来て更に楽しむ事が出来ました、画像の黄色い感じ等も雰囲気が出ていてとても良いと思います、丁度デジカメやスマホの画像と焦点を自分で合わせて撮る一眼レフカメラと同じで昔のものは本にしろビデオにしろ味がありました。

Re: 古き良き時代 

>昔のものは本にしろビデオにしろ味がありました。

そうなんですよね、やはりこの事につきます。
当時の物は過激さにおいてある程度の制限がありました。
なのでストーリーなり演出なりで工夫を凝らしていたという側面が強かったです。
昨今のAVはメニュー内容も似通った物ばかりで、どうしてもマンネリしてきます。
まぁ出している数が多いですのでそこまで拘れないのでしょうし、造る側も大変なのでしょう。

ちなみに昨日の日曜日に古本多めのセル店に寄って一通り雑誌をチェックしてみましたが、ザ・ベストやザ・ビッグは1冊も見当たりませんでした。実際古めの物はほとんど無かったです。(自販機本が10冊ほどありましたが気になるのはなかったです)
たまーに古ネタ本がまとめて入ってきたりするので今後も適度にチェックをしますが^^

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